In the Field

田中の体験や人と話したことを共有します。でも実は、自分のメモのためだったりします。

限界費用ゼロ社会が到来するまで生きていたい!

共有してみたいなと思った本です。

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今話題のIoT(インターネットオフシングス)を、多分一番はじめに提唱したリフキンさんの、何番目かの本です。

 

限界費用というのは経済用語で、ある商品を1単位(例えばiPhone1台、野菜1パック、車1台など)を生産するために必要な費用を指します。このとき設備投資が一定となる短期を考えると、限界費用は原材料価+必要な労働時間*時給になります。

 

リフキンさんは、エネルギーと製造と輸送という3つのプラットフォームが整うことで、この限界費用がほぼゼロになるといっています。

初期投資はもちろん別途かかります。

 

分散型電源と3Dプリンターと電気自動車

その3つの具体的なプラットフォームが上の3つです。

分散型電源はいわずもがな、太陽光や風力といった再生可能エネルギーを用いることで、場合によっては蓄電システムと一緒に使います。

3Dプリンターはよく知りませんでしたが、将来的にはお家、月のシェルターなんかも作れるとかなり鼻息が荒いです。

そして分散電源で発電された電気を利用した自動車を、場合によっては自動制御することで、ロジスティックのあり方が変わるらしいです。

 

これら3種の神器が一気に登場したことで、資本に囲われていた個人が限界費用をほぼゼロで色々なサービスや製品、豊かさを享受できるというのがリフキンさんの主張です。

分散電源に関していえば、インドでは州政府(インドは連邦制)が空港のエネルギー源として太陽光を導入しています。

一部は太陽光オンリーで電気を賄っているとのこと。

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あるいは製品に関しても、インターネットを介した共有型経済とともに3Dプリンターが普及すれば、不必要な買い物は最小限となるということです。一部話題になっている、都市部でのカーシェアリングや衣料品のシェアサービスはこうした変化の表れとしています。

これを読んでいて日本、というかEDOでは物のシェアが盛んだったという話もありますし、プライベートを重視するアメリカあたりと比べれば、馴染みやすいカルチャーなんじゃないかと感じました。

 

ただ、ここで言っているのは限界費用なので、ネットワークやインフラの維持にはもちろん費用がかかります。

 

そんな未来見てみたい

正直、自分が生きている間には出来っこないと思うのですが、おじいちゃんになった時にそういう社会を見るのが楽しみです。

そういう社会では、いわゆる”人脈”みたいなものが重要と言えそうですが、本書はそういう自己啓発的な目的の本ではないので安心して読めます。

 

田中